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2002.02.05
車種 スカイラインR32 NA
新規購入タイヤ ヨコハマDNA dB
交換前のタイヤ BS Grid-U
 
村上タイヤ様

いつも楽しく拝見させていただいております。

このたび、ヨコハマDNA dBを購入し、非常に重要と思われる印象を受け、購入一ヶ月でブリジストンレグノに交換してしまいましたので、その顛末とタイヤのインプレッションをお知らせいたします。以下の内容は、私の経験に基づいた個人的なものなので、必ずしも貴店のホームページに掲載していただくのにふさわしい内容ではないかもしれません。よろしく貴店のご判断のもとお取り扱いください。

私は、40歳の公務員でスカイラインR32のNAモデルに乗っております。通勤が主な用途であることと、車の中で聴く音楽が楽しみであるので、静かで乗り心地の良いタイヤをターゲットに、今まで5万キロを走行したブリジストングリッドUから変更いたしました。

 レグノとDNA dBを迷った結果、ちょっと安いDNA dBにいたしました。まずこのタイヤの乗り心地の良さと、静かさに驚きました。私の車は車高は変えてありませんが、バネレートが標準の 1.8倍程度のサスペンションを使っております。このため、路面の凹凸を拾いやすく、周期の短い振動がちょっと気になる車です。ただし、同乗者からの苦情はほとんど出ないレベルです。DNA dBにして、この乗り心地が、マークUのグランデにでもなったかのように変化いたしました。すばらしい乗り心地です。また、最近舗装された透水性舗装のような路面上では、タイヤが発する騒音はほとんど聞き取れず、気持ちの良い6気筒のエンジン音と、トランスミッションやデフから生じるかすかな音だけが耳に届くという、きわめて静かで快適なタイヤです。R32を維持してきて10年目にして最も快適な良い車になったと思ったものでした。

 許容される欠点は、カーブをちょっと攻めると、とたんに腰砕けになり、外へ外へと車が持っていかれることです。私の車はマルチリンクサスペンションなので、ロールしてもタイヤの接地状態の変化はきわめて小さく、かつバネも堅めなのでコーナーを攻めてもタイヤのサイドウォールは路面と接しません。私程度の腕では、コーナーリングでスキール音すら出ません。実際グリッド Uでは、交換するまで5万キロ走ったのにショルダーのトゲが残っておりました。しかしながらこのタイヤは、買って一日でトゲが無くなり、スキール音出まくりというものでした。また、ちょっと乱暴に車線変更すると、その収束が悪くハンドル操作をしていないのに、車が勝手に右左に曲がってしまうということも経験いたしました。驚くべき快適性と引き替えに、スポーツカーのタイヤとしては不十分であると思います。

 私にとってこの程度の不安定さは、快適性と引き替えに納得のいくものでしたが、どうしても許されるべきでない欠点があると感じております。それは、このタイヤでちょっと強くブレーキを踏むとロックしてしまうことです。ABS無しの車でこのタイヤは使用すべきではないでしょう。ABS付きならどのような印象なのかわかりません。また、一旦ロックしてしまうと制動力は全く立ち上がらず、雪上のように滑ってしまいます。一度怖い思いをして慎重に運転しておりましたが、このタイヤの制動力不足が原因(と私は強く主張する)により、タイヤをロックさせて滑ってガードレールにぶつかるという生まれて初めての事故を起こしてしまいました。ブレーキを踏んでから衝突するまで、車内の小物類は、前方に吹っ飛ぶこともなくそのままの位置を保っておりました。驚いたことに、シートに立てかけていた衣類を入れておいた紙袋が、倒れもせずそのまま立っていたことです。ロックさせると制動力はほとんどありません。グリッドUの時は、ロックさせても、ある程度の制動力を維持しながら「やばい」と思ったときでも止まってくれました。タイヤから紫の煙がモウモウと立ち上り、ゴムくさい臭いがすごかったので、しっかり食い付いて止まるのだと思います。このタイヤを、今まで使っていたタイヤと同じ感覚で、ブレーキを踏んでしまったのが事故の原因であることは確かです。私のタイヤの選択ミスだったのでしょうか。

 私にとって引き続きこのタイヤで運転する事は、再び事故を間違いなく起こしてしまうという確信が生じましたので、一ヶ月 1.700km走行で使用を中止いたしました。そして、購入した店とは異なるタイヤ点の店長さんとよく相談し、レグノにいたしました。 レグノにしてまだ2日しか経っておりませんが、このタイヤは「これが乗り心地重視?」と思われるほど、硬いものでした。DNA dBに慣れてしまったためでしょう。しかし、快適性と操縦安定性は両立しないことはわかっております。DNA dBのあまりの快適性の高さは、大切な性能を犠牲にした上に成り立っているのではないかと思うに至りました。ブリジストンは、もっともっと快適なタイヤが作れたのに、大切な性能を犠牲にしないため、あえて乗り心地のレベルを落としたとしか思えません。

いろいろな条件が重なり私は事故を起こしたものと考えます。どうしても納得がいかないのは、タイヤにとって最も大切な性能であるべき制動力不足の”プレミアムタイヤ”というのは存在して良いものでしょうか。このタイヤについて、ご使用されているユーザーの印象をもっともとお聞きしたい思いです。
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